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多発するテスラ車での居眠り運転は、自動運転について考える大きなきっかけか

昨今の自動運転技術は非常に高いレベルを誇ってきています。カメラやセンサーの性能向上や、AIの活用によって年々、自動運転技術は高いものとなってきていますが、完全自動運転を市販車において実現させることは、まだ困難だと言われているのが現状です。そんな中、自動運転の技術力の高さと利用者認識との間で議論を呼びそうな出来事が発生しました。

自動運転モード中に居眠りするドライバー

今回報じられたのは、自動運転モード中に居眠りをしている運転手の姿が収められた映像。アメリカ・カリフォルニア州の高速道路で、自動運転を利用して走行していると思われる車のドライバーが運転中に眠っているところを撮影された動画が公開。隣を走行中の車が撮影した動画で、居眠り運転をしていたドライバーが使用している車は、アメリカの大手電気自動車メーカー「テスラ」が製造する車です。車は車線から逸脱していなかったとみられます。動画からもわかる様に、運転手がしっかりと眠っている姿が映し出されており、事故が発生することなく進み続けている姿には驚愕します。

「テスラ車」居眠り運転の事例は過去にも

こうしたテスラ車の自動運転を利用中の居眠り運転は、過去にも発生していました。2018年11月、当時カリフォルニア州ロス・アルトス市の都市計画委員会で議長を務めていた男性が、テスラのモデルSを運転中、居眠りをし逮捕されています。運転中は、時速113kmで走行していたとみられます。

また、2019年6月にはカリフォルニア州南部の高速道路でも、走行中のテスラ車のドライバーが居眠り運転していた事例も。この車は少なくとも30マイル(48.3km)もの間居眠り運転で走行していたとみられます。

相次ぐ居眠り運転とテスラの技術力

多数の居眠り運転事例が発生している背景には、電気自動車メーカーとして高いレベルの電気自動車を生み出していることに加え、テスラが提供する半自動運転の技術力の高さに安心しきっているドライバーの心理状況があります。

テスラ社の「オートパイロット」は360度の視野を確保し、最長で250m先まで視認可能な8台のサラウンドカメラと、12個の超音波センサーなどが掛け合わさって実現しているシステムです。現状のレベルでは完全運転ではなく、ドライバーを支援するシステムという段階であって、車に対して完全に運転を任せられるものではありません。テスラ車としてもそうした見解をきちんと示しています。ですので、同じレーン内での走行、速度の加減速を簡単に行ってくれる程度であって、自動車を監視する責任はドライバーにあります。非常に高い精度を実現しながらドライバーの運転をアシストしてくれるものの、まだ完全なシステムでないため、そこの認識を誤ってはいけません。

過去にはテスラ社が提供するこのオートパイロット使用中の死亡事故が発生しており、死者が出ていなくとも、システムの誤認識による事故も発生しています。そういった事例から、「完全自動運転」と「半自動運転」の違いをしっかりと認識しなくてはいけないのが、現段階での私たちの課題といえます。

実際にテスラのオートパイロットの技術レベルは大きく高まっています。そういったことからも、自動運転システムを一概に非難することはナンセンスともいえるでしょう。これからの技術力の発展を妨げてしまうだけでなく、安全性を追求するといった意味でも、遠のいていく可能性があります。「完全自動運転」と「半自動運転」の違いを利用者が認識し直し、適正な監視体制で利用することができれば、テスラの高い技術力の恩恵をしっかりと享受できるのではないでしょうか。

参考:運転席でスヤスヤ熟睡 100キロ以上で自動運転?(19/08/24)(YouTube)
画像引用:Tesla公式