車種紹介

Sono「Sion」は電気自動車と時代の流れとの融合を実現

Uberのような配車サービスや太陽光電池を使用したバッテリーシステムなど、これからの時代に相応しいシステムが搭載された電気自動車が2020年後半から生産開始されます。ドイツの電気自動車スタートアップである「SonoMotors」が2020年に生産予定している5人乗りの「Sono」は、テスラやNIOなどとはまた違ったスタイルで新たな電気自動車を提案します。

「Sion」航続距離は約250km

バッテリーには35kWhの水冷式リチウムイオンバッテリーを使用しており、15~35℃の最適温度範囲で常に維持・管理されます。そのため効率の良い電力維持が可能に。WLTPモードでの航続距離は約250kmに及びます。最大50kWのDC充電と最大11kWのAC充電にも対応。家庭用のプラグを充電に用いれば、空の状態から100%までバッテリーを貯めるのに最大で13時間の時間を要します。それに対して、急速充電を利用すれば約80%までの30分ほどで充電可能となるようで、この約80%のバッテリー容量では200km程の走行を行えます。前輪駆動のモーターは最大出力120kW。最高速度は140km/hで、0-100km/hまでの加速にかかる時間は9秒といった速さとなっています。

Sionの大きな魅力の一つともいえるのが太陽光発電でしょう。アルミフレームにより軽量化が施されたSionの車体には248個の太陽電池が。車体の側面・ルーフトップ・ボンネット・後部と全面的に取り付けられ、効率的な充電が行われるよう工夫されています。この太陽電池は最大で1日あたり34km走行可能分に相当するバッテリーを生み出すことができ、その量は年間で最大5,800kmにもなります。完全な充電とはなりませんが、十分に画期的なシステムといえるでしょう。

また、これら革新的なシステムや車体性能を施していながらも、独自のスタイルを適用させることによって徹底的なメンテナンスコスト削減をユーザーへ提案してくれます。標準装備された交換部品は特別な事前知識を必要とせず、比較的簡単な交換が可能になります。これによってユーザー自らが部品の交換を行えるため、余分なメンテナンス費用が発生しません。また、独自のハンドブック発行もさらなる低コスト化へ近づけている部分です。Sonoではメンテナンスに関わる技術的なハンドブックを発行。これを誰でも閲覧可能とすることで専属のメカニックを大量に雇うことなく、広範囲に技術者を生み出すことができます。ユーザーはメンテナンスをより身近な場所で行うことができるでしょう。また、ボディそのものや複雑なシステムなど高度な修理に関してはヨーロッパで有名なサービスプロパイダーとの協力によってさらなる低コスト化を提供可能とするようです。

新しい時代の使い方を「Sion」で

ここまでだけでも画期的であることを十分に感じられるSionですが、全く新しいシステムやSonoのビジョンはこれだけにとどまりません。

独自の相互方向充電技術「biSono」を搭載するSionでは、車そのものを持ち運び電源のように使用することも可能です。最大11kWの高電圧デバイスへの電力供給を可能とするこのシステムは、家庭用プラグ使用で最大3.7kWで電力を供給します。35kWhのバッテリー容量を誇るため、1日の消費電力が5kWの世帯であれば、1週間も利用できるほどの性能。一人暮らしの1日の消費電力は平均で約7kWhといわれているとからも、十分な電源となることがわかるでしょう。

また、「goSono」も今後を見据えた画期的なシステムといえます。Sonoでは独自のアプリを用意。「powerSharing」「rideSharing」「carSharing」の3つのサービスがSionの用途や利便性をさらに拡張させます。

powerSharingは先にご紹介したbiSonoを活用して、ユーザー間での電気共有が可能なサービスです。アプリを通してSonoユーザー同士で充電のリクエストを出し合うことができます。バッテリーが欲しいユーザーからのリクエストが来たら、承認するか拒否するかをアプリで選択可能。承認すればリクエストユーザーへバッテリーを提供でき、対価としてお金を稼ぐことも可能です。

rideSharingも最近の時代らしい画期的なシステムでしょう。アプリを利用すれば旅行者へ乗車を提案することが可能。今話題のUberのようなサービスを個人単位で行うことができるシステムです。お互いの一致によりリクエストへの承認が行われれば合流地点が確定され、旅行者をピックアップすることが可能。ドライバーとなるSionユーザーへは、お互いに合意した金額が自動的にユーザーへ支払われるシステムです。Uberへの登録を行わなくても個人的な配車サービスを展開し、簡単なビジネスを行うことができます。

carSharingも昨今主流となってきたシェアリングサービスに似たシステムとなっています。外出先等で車を必要とする際にSonoを選択肢の一つとして利用できます。レンタルを行いたいユーザーはアプリを通してSonoオーナーへレンタル予約を。予約が行われると、使用のためのロックが解除される仕組。車がきちんと返却されれば貸し出しを行なったSonoオーナーの銀行口座へレンタル料金が振り込まれるといった、個人での貸し出しに特化したシステムとなっています。

2020年の「Sion」生産開始は大きな衝撃を生むか

冒頭でもお伝えした通り2020年後半の生産開始が予定されており、現在のところ右ハンドル車の製品化は未定と断言されているもの、今後の販売状況によっては製造も視野に入れて計画を進めるとみられます。車体価格は25,500ユーロ(約¥3,030,000)が予定され、販売予約も現在受付中。製造工程から100%クリーンエネルギーでの製造にこだわっているSionは、電気自動車のみならず私たちの日常生活やビジネス面へも大きな衝撃を与える一台となるかもしれません。

参考:Sion Electric Car (Sono Motors)
画像出典元:Media Gallery
Images Credit:Sono Motors GmbH