EP9
車種紹介

世界最速電気自動車の記録を持つNIO「EP9」

『中国版テスラ』の名を持つ中国の電気自動車メーカー「NIO」。世界の電気自動車市場でも最大規模を誇る中国において、革新的な技術提案やユーザーの心を引きつけるデザイン性などは中国市場での生存を大きく左右する要素といえます。NIOが開発をしたEP9は、同社の技術力を中国だけでなく世界へ轟かせるほどのスペックを提唱しました。

世界最速の電気自動車NIO「EP9」

2016年11月21日に発表されたNIO EP9は発表の段階から世界最速電気自動車として紹介されました。公道走行可能な市販車としては世界初の速さを可能としています。その能力は伝統的なサーキットにおける最速ラップ樹立が証明しているでしょう。

EP9発表前となる2016年10月12日、ドイツにあるニュルブルクリンクにて行われた走行でEP9は世界記録を樹立しました。”ニュル”の愛称で親しまれるニュルブルクリンクは公道と同じ舗装ながらも、アップダウンの激しい”世界一過酷なコース”ともいわれる非常に歴史のあるコースです。そのニュルで行われた走行で7分12秒5という記録をマーク。この記録は世界最速の電気自動車記録として認定されました。また2017年2月にも歴史的なタイムを打ち出しています。F1のレースも行われるアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)にて行われた走行では、ドライバーによる走行で2分11秒30という記録をマーク。こちらでも電気自動車として最速の走りを見せています。

では、最速電気自動車としての走りを実現すべく設計されたEP9の車体はどういったものになっているのでしょうか。ここからは、EP9の詳しいスペックを一緒に見ていきましょう。

「EP9」の3G重力にも耐えれる設計

市販車ながらレーシング車両さながらの設計がされているEP9は、3Gもの高いGに耐えれる構造となっています。地球の重力の3倍となる3Gは、F-22戦闘機のパイロットが感じる重量体感と同じレベル。カーボンファイバーシャーシによって補強されたフレームは従来車のようなスチールシャーシよりも70%も軽量化しながらも、それほどの高いGに耐えながら車体を守ってくれます。

3GものGを発生させる走りは強力なモーターによって可能としています。4個の電気モーターが搭載され最高速度は313km/h、200km/hまでの加速にかかる時間は7.1秒と驚異の速さを実現。1MWものパワーが供給されるため、最高質力は1360psにも及びます。また要となるバッテリーにも高いレベルのものが。交換可能なバッテリーシステムを搭載することによりEP9では8分でバッテリー交換を可能に。航続距離約430kmもの長距離を可能としているバッテリーを8分という速さで交換できるとあって、大きな時間短縮が可能となるでしょう。バッテリーの交換だけでなく充電の速さも相当なもの。これだけの距離数を走行可能とする容量のバッテリーを45分という短時間でいっぱいにすることができます。バッテリーパックは冷却システムによって常に最適な温度を維持されてるので、ベストなコンディションでの走行も可能になることでしょう。

モーターやバッテリーといったパワートレインだけでなく、空力性能についてもしっかり考えられた設計行われているのも注目ポイントです。

速い速度での走行を行うためには強いダウンフォースを発生させることによって、車を安定させながら走ることが大切になります。車は速度が速くなれば速くなるほど浮きやすいため、押さえつける強い力を発生させる必要が。そうすることによってコーナーでの安定も得ることができるわけです。このEP9においても強力なダウンフォースを発生させていますが、その力はF1カーの2倍といった強力な力。車体後ろに取り付けられた3段階での可変式リアウイングが強力なダウンフォースを発生させます。これによってコーナーでの安定や、力強い走りを可能としているのです。またサスペンションの1つでもあるダンパーに4段階の調整可能なダンパーを使用。独自に設計されたサスペンションも3Gでの高速走行時のコーナリングをもっと安定したものにしています。

それらの高速走行中のブレーキングを容易にするために用いられるのは、Alconと共同で設計された強力なブレーキシステムです。世界中でモータースポーツを支えるAlconとのパートナーシップによって開発されたブレーキシステムは、カーレースのカテゴリーの1つとされるGT3車両の2倍ものブレーキ力を実現しています。

続々と新しい車両がリリースされている電気自動車市場では、航続距離や最高速度などもどんどんと高いレベルのものが発表されてきています。そんな市場の中でも中国版テスラともいわれるNIOが最高レベルの技術力を示したEP9は、今後も多くの電気自動車メーカーの大いなる刺激となっていくことでしょう。

参考・画像引用・NIO EP9(NIO)